空室対策としての高齢者にターゲティングしたマンション経営

マンション経営は他の投資の手段とは異なり、資金調達に際しても金融機関が専用のローン商品を提供していたり、管理業務のほとんどを外部の不動産会社やマンション管理会社にアウトソーシングできたりする点で、経験に乏しい一般の人でも手がけやすいという特徴が見られます。
しかし一方では経営にあたってのリスクが潜んでいることも考えなければならず、空室率の増加、資産価値の下落、建物の老朽化などは、これらのリスクのなかでもとりわけ大きなものといわれています。
実際にマンションという資産を購入してから経営上の工夫によってリスクをできるだけ小さなものにすることは可能ですが、最初からマンション建設の際にリスクが低い選択肢を採用しておくことのほうがより合理的といえます。

空室率の増加は経営上最大のリスク

マンションの経営上のリスクのなかでも、誰もが考えるほどポピュラーで、しかも看過できないものに空室率の増加が挙げられます。マンション経営というのは通常は入居者から毎月徴収する家賃による収入をメインとしていることから、所有しているマンションが満室になれば、より多くの利潤を得ることができます。
しかし同じ地域のなかでライバルとなる物件が多かったり、駅から遠いなどの立地特性上の難点があったりすると、入居率が低下して空室が目立つようになります。空室の部分では家賃収入が発生しないにもかかわらず、マンションの維持管理の経費はほとんど減ることはありませんので、オーナーにとってはかなりのダメージとなります。
このためマンションのオーナーとして経営をはじめるのであれば、空室対策についてもしっかりとした見通しを立てておかなければなりません。

高齢者にターゲットを絞り込んで空室対策を目指す

マンションの空室率を減らして利潤を確保するための試みにはいろいろなものが考えられますが、たとえば最初から入居者の客層として高齢者にターゲットを絞り込んでおくというのもひとつの方法です。
わが国は未曾有の高齢社会に突入しているとはいわれながらも、高齢者向けの住宅は現在でもその数が少なく、今後とも需要が途切れることはありませんので、空室対策としての効果は抜群です。場合によっては補助制度などを有効に活用して資金調達がしやすくなるメリットもあるほか、エレベーターや手すり、緊急通報システムなどの設備が整っていれば、家賃が多少高くても十分にペイすることができます。
また介護保険による公的サービスや保険適用外の家事代行などの民間の独自のサービスとの組み合わせの余地がありますので、他の業種をパートナーにできる点も大きいといえます。