高齢者向け賃貸マンション経営での節税対策

相続などで取得した土地の使いみちがなく、遊休状態になっている場合には、それだけでも固定資産税などの税金が所有者に対して課せられることになるため、早急に何らかの土地活用の方策を考える必要があります。
こうした場合に人気なのは賃貸マンション経営などの手段で、オーナーが自ら建物の維持管理や家賃の徴収などの仕事を行わなくても、適切なマンション管理会社が選べれば、その多くの部分をアウトソーシングすることができますので、効率性の高い収益源になります。
しかしここで注意しなければならないのは、やはり新規で事業をするにあたっても税金が発生するという点です。したがって当初の段階から節税対策も含めて慎重にプランを練っておかなければなりませんが、その解決策のひとつになるのが高齢者向けの賃貸マンションです。

高齢者向け賃貸マンションとはどのようなものか

わが国は超高齢社会とよばれており、介護保険などの公的なしくみも整いつつありますが、それでも増え続ける需要には十分に対応しきれているとはいえません。特に居住系のサービスはどこでも不足しがちですし、法令にもとづく要介護認定は得られないまでも、身体の衰えから生活に不安があるという、制度の狭間に置かれた高齢者のサポートも重要な課題です。
そこで公的な枠組みのなかで登場したサービス付き高齢者向け住宅は、安否確認や生活相談といったサービスが受けられる、比較的元気で自立可能な高齢者のための施設といえます。
対象者が限定されるだけで実質的には一般の賃貸マンションとそれほど変わりはないものの、その目的の特殊性から、賃貸借契約ではなく、利用契約を結んで入居する形式をとっています。

高齢者向け賃貸マンション経営に参入するメリット

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者住まい法とよばれる法律にもとづいて建設が行われており、民間資本がベースとはいえ、国でも政策として積極的に推進する立場をとっています。
このことから一般的な賃貸マンションとは違い、建設費の一部が公費で補助されますし、不動産取得税も免除されることから、オーナーの立場では節税対策の一環としても使えます。
また固定資産税も新築当初の5年間については、本来の税額の3分の1まで軽減されるという特例もあります。土地そのものも更地の状態にくらべて固定資産税は6分の1になり、土地と建物を合わせたダブルでの節税対策になるところもポイントです。その上に高齢者のサポートという社会的な使命を果たすことができ、単なる賃貸マンション経営以上の価値があります。